デンマークで受けたカルチャーショック その１．

私がコペンに来たのは、2006年の11月28日。冬に突入し、どんどん暗く寒くなっていく時期の来デンでした。あれからもう丸4年。随分コペンライフを満喫出来るようになりましたが、最初は色～んなショッキング（良くも悪くも。笑）な出来事がたくさんありました。

ちょっとそれらを紹介（注：長いっすよ）・・・

まずは、家編・・・

「網戸がないっ！」

うちだけではなく、ほとんどの家がそう。なんで網戸がないんだろう？と思ったら、「景観を損ねる」からなんですって。そして、「網戸があると日光が遮られちゃうから」なんですって。ほほ～。インテリアにこだわり、光を求めるデン人らしい考えだわ。

窓も大きいし、日の光がたくさん入っていいんですが、「網戸がない＝窓を開けると虫が入りたい放題」となるわけで…。春/夏に窓を開けてると、蚊やらハエやらハチがどんどん入って来ます。最初は、入ってくるたびに「ひー」って感じで追い払ったりたたき落としたりしてましたが、キリがないので諦めた。、諦めたもう1つの理由として、「コペンの虫は短命」ってのがあります。と言うのも、虫入って来ても、次の日には窓辺で死んでるんですよ。すぐ死んじゃうんなら「残りの命を謳歌するがいい！」って感じで自由に家の中を飛ばせてあげることにしたわけです。

でもねー。夜はやっぱ閉める。なぜなら、照明の光に吸い寄せられてどんどんやってくるから。数年前の夏の夜。ベランダのドアをちょっと開けてたんです。ドアを開けたまま（しかもダイニングの照明点けたまま）寝ちゃって、夜中に起きたハズバンドが…「大変っ！」と私を起こしに来たから何事かと思ってダイニングに行ったら…壁一面に蚊がびっしり…ひょえ～！！！っとなり、でもその時うちには虫用スプレーがなく、最初は霧吹きにお酢を入れて吹きかけてみたんですがあんまり効果がなく（そして家中ツーンと臭い始めたので）やめて、しょうがないから、ティッシュで一つずつつまんでつぶしていきました…（T◇T）幸い、夜で虫も寝てたので、ほとんど動かず、捕まえやすかったけど、やっぱり気持ち悪いもんです…天井に張り付いてたモノについてはハシゴに登って捕まえました…新品のティッシュ箱1個以上使ったので、100匹はいたってことね。（一枚のティッシュに1匹しか捕まえられないよ～。気持ち悪いもんさ～。）

 

「家の中丸見えですが…？」

網戸がない＋カーテンを閉めないので、家の中が丸見え。パンツ一丁で歩いてるおじさんとか、バスタオルを巻いたおばさんとか丸見えっす。日中はまだ太陽の光が窓に反射して見えにくかったりしますが、夜、家の照明が点いてると、ちょー見える。どうやら、あんまり気にしないみたい。デン人は家の内装にとてもこだわり、お金をかけるので、ある意味「さあ、これがうちのインテリアコーディネートよっ！」と人々に見せたい気持ちもあるのかも。

お陰さまで、デン人のインテリアコーディネートをあれこれ見ることが出来て、私は楽しいけど。「こういう色合い～！」とか「この組み合わせか。やるなぁ」とか「ちょーかっこいい！｝とか思いながら覗き見をするんですが、時々、思いがけず人がいて、目が合ったりもする…それはイカンね。笑　

 

「日曜大工が大好き」

デンマーク人は、自分で内装を変えたり、家の中のモノを作ったりするのが好き。なのでDIYショップがたくさんあり、品ぞろえも豊富です。ちょっと棚を作るとかなら分かるけど、バスルームをぜんとっかえしたり、壁を壊して間取りを変えたり、日本だったら専門の職人さんがやりそうなことも、個人で行うんです。

時々、隣りの家や上の家から「ドンドンドンドン」と何かを打ちつける音や、「キュインキュインキュインキュイン」とドリル系の回る音や、「ガガガガガ」と何かを削る音がしたりします。自分で材料を買って、自分の好きなように家をリフォームするのって楽しそう。業者に頼むとべらぼうに高くなるから個人でやるっていうことも理由の1つとしてあるみたいですが…

 

「蛍光灯がないっつ！」

すべての家が白熱灯で、しかも間接照明。うちも白熱灯で間接照明ですが、来デン当初は、ジャパンでの蛍光灯生活に慣れてたため、めっちゃ暗く感じてね。でも、白熱灯/間接照明に慣れると、こっちの方がずっといいと思う。やわらかい温かい光で落ち着く。蛍光灯生活はもう出来ないかもなぁ…

 

「コンセントが高い…？」

家の至る所にあるコンセント。ジャパンの家のコンセントって。壁の低い部分にあるじゃないですか。床近くの。こっちのコンセントは、床上20cmだったり、照明をON/OFFするスイッチの真下（つまり床上1mくらい）に位置します。なぜ…？

 

「家が歪んでる…」

以前住んでたアパートは、築1年くらいの新しいアパート。リビングのどでかい窓スペースにブラインドを付けようと思ってブラインド屋さんに来てもらって計ってもらったら…「あ、左が267cmで右が264cmだね」と。「え～！この建物歪んでるんですか？！」と言ったら、「ああ、これくらいの歪みなら大したことないよ。よくあることだし」マジでっ？！ジャパンじゃあり得ないよ。歪んでたら欠陥住宅だよ…

そして、2009年に引っ越したアパートは、築100年くらいの古いアパート。当然、家のあちこちが歪んでます。床、壁、ドア…。でも、「なんでもあり」なデンマークと理解してた（悟ってた）ので、特に気にすることなく過ごしてます。

 

「機能よりも見た目重視」

デンマークの住宅に引っ越して感じたのが、「キッチンのシンクちっちゃっ！」「電気コンロなんだ？！」「冷蔵庫どこ？」「バスルームのシンクちっちゃっ！」「食洗機どこ？」ってこと。

ジャパンのキッチンシンクやバスルームシンクって幅広じゃないですか。大きくて使いやすくて。なのに、こっちのは小さい。キッチンシンクは中華鍋を入れたらいっぱいいっぱいな大きさ。洗面所のシンクは、顔を洗うと水が飛び散る狭さ。ちょー使いにくい！と最初思いましたが、確かに、小さい方が存在感が薄いいし、見た目的にもかっこいい。

ジャパンでガスコンロを使ってたので、最初電気コンロの火加減が難しくて…ガスコンロの方が熱の伝わりが良いし、火加減も調整しやすいし、絶対使いやすいと思うけど、確かに、電気コンロの方が見た目がイイ。カッコ良さすら感じるかも…

冷蔵庫。何処にあるかわからないようになってるんです。つまり、冷蔵庫がデーンとあるのではなく、キッチン戸棚と同じデザインの戸棚の中に入ってるんです。戸棚を開けると、そこが冷蔵庫。みたいな。そして、同じことが食洗機にも言える。食洗機も見えないように、隠されてます。冷蔵庫や食洗機などの白物家電がそのまま見えることは景観を損ねることになるわけで、隠すことにしたんだと思います。

→冷蔵庫。

→食洗機。

見た目の美しさにこだわるデンマークならではって感じだね。

 

「湯船に浸からない？デンマーク人」

家探しをしてた時、条件の1つに「バスタブがあること」を入れてました。でも、どんなに探してもバスタブ付きのアパートがない。20件近く見ても、ない。ので、諦めました。なんでだろう～？と思いつつ、友人たちに聞いてみると、ほとんどの人がバスタブがなくシャワー室のみのアパートに住んでた。デンマーク人に、「バスタブいらないの？」と聞いてみたら、「入る必要がないでしょ」と当然のようにバスタブの存在を否定してました。

なんでかな～、と気になって調べてみると…

1973年のオイルショックで、原油が高騰。当時は、灯油ボイラーでお湯を沸かしてた家庭が多かったこともあり、「バスタブにお湯をためて入浴するのを控えるように」という政府広告が出たそうです。（それ以前は、バスタブ付きの家が多かったみたい！）そして、その流れに沿ってバスタブなしの家が建てられるようになり、現在に至るそうです。確かに、デンマークのバスルームは、日本みたいに流し場がないからバスタブの中で体を洗うことになり、一人がお風呂に入り終わる度にバスタブのお湯を捨てなきゃいけない。なるほど。これなら、水道代も光熱費もかかって不経済！ってことでバスタブがなくなってったのが納得。しかも、デンマークは家の断熱がしっかりしてて、日本の一般的な家よりはよっぽど暖かいから、「湯船に浸かって暖まりたい！」って願望もなさそう。温泉もないしね～。

ちなみに、今住んでるアパートは、大家さんが内装をリフォームする際バスタブを作ったので、バスタブ付きです。そうやって、意図的にリフォームされでもしないと、バスタブ付きのアパートってないのかもね。（もちろん、一戸建てとかだとバスタブ付きの家もありますよ。）

そうそう、デンマークのホテルは、ほとんどがバスタブなし。高級ホテルでも、バスタブ付きの部屋は少ないんです。本当に、湯船に浸かるって文化がないんだねぇ…

 

「セントラルヒーティングの素晴らしさ」

デンマークの家は、ほとんどがセントラルヒーティング。各部屋にヒーターがあったり、床暖だったり。なので、冬場は家の中があったかい。日本だと、家を出る時に暖房やストーブを切り、家に帰って来てから暖房やストーブを入れるって感じですよね。なので外出後しばらくコートが脱げなかったり、息が白かったりします。こっちだと、終日ヒーターが入ってるので、外出後そっこーでコートが脱げるし、部屋が暑く感じたりする。家の中を半そでで過ごしてるって人も多々。セントラルヒーティングって素晴らしいなぁ～と思います。日本もどんどんセントラルヒーティングになればいいのにね～。

 

「当然のように二重窓」

前のアパートは、１枚の窓なんだけど良く見ると二枚のガラスが組み込まれてる二重窓。今のアパートは、キッチンとバスルームが１枚の二重窓で、それ以外の部屋は物理的な二重窓（窓に、内開きの窓と外開きの窓と2枚付いてる）。なんでかっていうと寒いから…冬の朝晩の冷え込みに耐えるために、どこの家も二重窓なんですよね。さすが北欧！ちょっと感動しちゃった。

シルバーの部分の両側にガラスがはめられてます。

物理的な二重窓。

ちなみに、一戸建ての家の玄関のドアも二重ガラス構造だったりするみたい！そうよね。ドアだけ一重だったらそっから冷えちゃうもんね～。

 

 

…こんな感じかしらん。また思いついたら追加します。次は、「スーパー編」です。（この企画は不定期です。まとまったらアップするような感じですんで。）

 

日本と色々違うね～！と思われたら♪ぽちっ♪とお願いします。

タグ：カルチャーショック デンマーク

コメント 15

面白いです。私はオーストリアに3年いましたが、バスタブの件は違うなーと思いました。やはり網戸は無かったけど、夏でも夜になれば涼しいので助かりました。ただ、パリあたりだと夏でもエアコンが欲しくなる時期がありましたね。
by hideyuki2007y (2011-02-18 03:17) 

懐かしいなぁ。
最初はいろんな違いに戸惑ったっけ。
りんごちゃんのおかげで、私のデンマーク生活は楽しいものになりました。
あー、セントラルヒーティング、二重ガラス、この2つが一番恋しい。
by YUKO (2011-02-18 08:00) 

うわ～コメントいっぱい書きたくなるような話!!（笑）

私も来た時は似たような事いっぱい思ったよ～
懐かしい～

網戸ないし、レースのカーテンないし、湯船もないしね、ほんとに。
玄関ドアも二重ガラスだよ（流石に猫ドアは違うけど。）
日曜大工も大好きだしね～（大笑）
by NaokoTB (2011-02-18 09:03) 

こんにちは。

仕事で定期的にデンマークへ行っています。

ただいつも一週間くらいの滞在なので、こういう現地ネタはなるほど～と

いった感じで楽しいです。　蚊・・・笑

確かに中丸見えのお家多いですねー　　

そしてＰＨランプをはじめ、かわいいランプを本当に良く見かけます。やはり白熱球の暖かな雰囲気は良いですね。

次のスーパーも楽しみにしています！！
by Ｐｅｎ (2011-02-18 13:34) 

ほえええ～＠０＠；見た目重視なんですか！
（なんとなく親近感ｖ＾＾；）
それで、危険とかなければ、いいけれど。
日本だったら、クレーマーが出没しそうです。
面白い続き、楽しみにしておりますｖ
by ふゆもえ (2011-02-18 15:03) 

hideyuki2007yさん＞
そうなんですよね！夜が涼しくなってくれるから、網戸なしでもクーラーなしでも過ごせるんですよね。寒い国で良かった…あ、湿気がないのも重要ですよね。


YUKOりん＞
こちらこそ、ゆうこりんと一緒に右も左もわからない時期を過ごせて良かったよ～。とっても心強かったもの。
ジャパンだと冬冷えるもんね。セントラルヒーティングと二重窓って素晴らしいよね！


NaokoTBさん＞
玄関ドアも二重ガラスって一戸建てならではですね！！！面白いっ！ちょっとブログに書き加えさせて頂いて良いですかね？
日曜大工のことを書きながら、Naoさんの旦那様を妄想してました♪リフォームがんばってね！


Penさん＞
ご訪問＆コメントありがとうございます！
蚊…今となっては笑い話ですが、その日は死ぬかと思いました…涙
ステキなランプやステキな家具、ほんとにみなさん内装にこだわってて、「モデルルームか？」って思うほどステキなおうちがたくさんあるんですよね。覗くのが秘かな楽しみだったりします♪
by dogwood (2011-02-18 18:31) 

ふゆもえさん＞
そうなんです！機能よりも見た目の美しさが大事なんです。
使わない前提ならそれでかまいませんが、使うとなると不便を感じたりします。特にシンク…まぁ、でも食洗機があるから、自ら洗うものって少ないっちゃあ少ないので、シンクが小さくても問題ないっちゃあ問題ないんですがね…笑
by dogwood (2011-02-18 18:33) 

ﾓｽｸﾜも何だかﾃﾞﾝﾏｰｸと似てる気がするな～。
私も網戸がないのにはﾋﾞｯｸﾘしたけど、ﾓｽｸﾜのこれは外観を損ねるからというのが理由ではなさそうな…^^;
ｾﾝﾄﾗﾙﾋｰﾃｨﾝｸﾞは本当に素晴らしいよね！
日本でも取り入れればいいのにっていつも思うよ。
お水を使ってるわけだし、1軒1軒でﾋｰﾀｰやらｽﾄｰﾌﾞやらを使うよりよっぽど火事とかの心配がなくてよさそうなものだけど…。

そうそう、ｺﾝﾛ、こちらも電気だった！

ところで、ｶｰﾃﾝの無いお家の中を歩くﾊﾞｽﾀｵﾙ姿のおじちゃんとかおばちゃんは、外観を損ねることには…ならないのかしら…（笑）

by いざわんこ (2011-02-18 21:14) 

いざわんこ＞
おお、そちらも同じ感じなのね～。たしかに、そちらも夏でも涼しいから（虫短命そうだし）網戸なくて平気そうだよね。
セントラルヒーティングの素晴らしさは、一時帰国すると身にしみて感じるよね。「ジャパンって寒いんだ…」って思う。

＞ｶｰﾃﾝの無いお家の中を歩くﾊﾞｽﾀｵﾙ姿のおじちゃんとかおばちゃんは、外観を損ねることには…ならないのかしら…（笑）

って。ウケる。


Shin.Sionさん＞
nice頂き、ありがとうございます！
by dogwood (2011-02-18 23:41) 

そうそうそうそう、って感じで読んでました。まさに私のフラットもりんごさんのおっしゃる通りです。
で、私はアマーのメトロ沿いに住んでいるのですが、やはり網戸がありません。目の前には夏には緑地になると思われる広大な空き地が広がっています。ということは、夏には虫だらけになるんですね・・・・。虫嫌いの私にとってはいまから頭の痛い問題です・・・。
by HIRO (2011-02-19 03:46) 

コペンにも虫がいるのになぜか安心した私です・・ぶっ。
私はね　虫　はアレで退治するよ・・・
ラケット型になってて　網　にあたると　ジュッ　と焼ける？やつ・・
相棒君に　キミって案外残酷だよね・・と言われますがなにか？笑

虫は嫌だけど　ゴキブリちゃんが居ないのがいいよね～
あの黒いの見たら　ドキッ　とするもんね。
ところで　キッチン　とても綺麗だけど　りんごさん宅なの～？
いいね、都会チックで～　と思ったわ
by pecca (2011-02-19 06:52) 

読み応え充分ですね～♪
文化の違い、何にこだわるかの違いが見えて面白い～
網戸がないのは、ちょっと困るかなぁ（苦笑）。
虫とも共存ということなのね・・・。


by atori (2011-02-19 11:06) 

HIROさん＞
ですよね～！共感して頂けてうれしいです♪
きっと、虫が多いかと…水辺が近かったりしたりします？その場合は蚊が多いですよ。うちは、前のアパートが運河のすぐ近くだったので、蚊がいっぱいいました～。
でも、みんな短命だから大丈夫ですよっ！


peccaさん＞
いますいます！虫。
前のアパートには、透明（というかスケレトンタイプ）な変な芋虫系がバスルームに時々現れてましたよ。ちょーキモかった…
あ！うちもラケット使ってます！それについて書かなきゃ～！イイご指摘ありがとうございます！
画像のキッチンは、今のアパートのキッチンです。オーナーさんがリフォームしたばかりなのでハイカラな感じになってます。


atoriさん＞
文字ばかりでスミマセン…
こちらでは虫と共存ですよ！デン人たちは虫が飛んでても全然無反応。慣れ切っちゃってるって感じです。
網戸はないと困りますが、無い方が外の景色が良く見えて良いです～！
by dogwood (2011-02-19 19:23) 

よ、嫁ビギナーです。お久しぶりですー。
帰ってまいりました。さっそく冬鬱になりそうな感じですが（笑）。ぷぷ。
nice!をポチっとすることなぞすっかり忘れてたので足跡さえ残してなかったですが、日本滞在時も時々お邪魔させてもらってました～

りんごさんちの大家さん、最高・・・バスタブあるなんてうらやしいー！
日本ではもちろんセントラルヒーティングなし生活なので、デンマークよりむしろ寒かったです。。。
デンマークでの一番のお気に入りはこたつの代わりのセントラルヒーティングと、ゴキちゃんがいないことかも！
by 嫁ビギナー (2011-02-23 17:25) 

嫁ちゃん＞
ね、ステキな大家さんよね。ありがとー！って感じ。でもそこ意外の場所、全部自分でやったっぽい（ペンキ塗りとか）からかなり微妙よ～。ペンキはがれおちてきてる。笑
「寒くてゴキブリがいない」ってすごいよね。ゴキブリって意外と軟弱ってことね。ぷぷぷ。
by dogwood (2011-02-24 18:22)